第1回 「これぞ本物!」

皆様。マーガリンはバターではないこと、ご存知ですね。

ところでホイップクリームが生クリームでないことをご存知でしたか。ホイップクリームは、生クリームに似せて作ったものです。マーガリンもホイップクリームも、一般的には植物性油に乳化剤を使って、生クリームやバターに似せて作ったものです。

問題は、それらを作る工程で乳化剤が使われます。その乳化剤が胃腸で消化を悪くします。また、その乳化剤が体に蓄積されて良いはずがありません。

その思いから当ガトーマスダでは、40年以上に渡ってこれらは一切使用いたしておりません。ショートケーキ、デコレーションケーキ(バースデーケーキ)、ロールケーキ、パウンドケーキ(フルーツケーキ)等は、ガトーマスダの菓子作りに対する信念に基づきおつくりしている代表作の一部です。多くの消費者の方々からガトーマスダのケーキはいくつ食べても胸やけしないよね!とのお言葉をいただけるのは、正にそのためです。ガトーマスダの生ケーキや焼き菓子は口どけと美味しさが違います。今までご自分が体験されていたケーキとは明らかに違いがあることに気づかれると思います。

マスダ塾塾長 増田嘉嗣

第2回 「フジリンゴとの出会い」

フジリンゴは青森県が発祥の地とされている。私の記憶が間違っていなければ、30年程前、NHKのテレビ番組(プロジェクトX)でその品種開発の苦労話が紹介されたことを覚えている。私のフジリンゴとの出会いはそれより以前に山形県寒河江に仕事で出張した折のことだった。この地方は、サクランボと同様にリンゴの一大産地でもある。私はフルーツの加工(砂糖漬け、洋酒漬け)を本業としてきていたので、商談の席で、園芸農家の方からこれ食べてみて下さいと、差し出されたそのリンゴを一口食べて、その美味しさに驚いた。どうしてこんなに美味しいんだろうと。その当時はリンゴと云えば国光、紅玉が主な品種であった。生で食べると甘味が少なく、酸味が強くて私は少々苦手でした。NHKの番組の中で知ったことは青森の農家の方が試行錯誤10年余りの研究の末に接ぎ木によって作り出されたものであることを知りました。私はこのリンゴに出会ったことでリンゴの加工技術を高めることが出来たし、その結果日本一の完熟アップルパイを生み出すことにつながったのであります。

 板橋のいっぴん完熟アップルパイについては次に続けます。

マスダ塾塾長 増田嘉嗣

 

 

第3回 「板橋のいっぴん 完熟アップルパイ」

 前回お話ししたとおり、40年程前に山形県寒河江でフジリンゴとの出会いは衝撃的でした。糖度計で糖度を測ってみると15度近くもある。堅さもある。酸味のバランスもよい。これならば砂糖を使わずに濃縮すればよいはずだ。このリンゴを使って日本一のアップルパイを作ってみせる!私の技術者魂に火をつけて強い闘争心をかきたてた次第です。私は東京に帰ったらさっそくリンゴの濃縮をやってみようと思い立ち、山形からリンゴを取り寄せて作業を始めることになったのですが、私がイメージしたようにはなかなかならない。なにせ加熱すると果肉が溶け出し、最後にはジャムになってしまう。食感がなくなってはアップルパイの原料としては都合が悪い。私の考えは何しろリンゴの水分を抜いて半分にしたい。そうすれば糖度が30度位まで上がる。私の欲張った考えにリンゴが答えてくれない。完熟リンゴを使用することにこだわれば尚のこと難しい。収穫してから日が経ってボケたリンゴもだめ、何とか技術的な目途が立つのに5年程かかってしまった。このような次第でアップルパイを完成させるまでには何やかやと10年近くも月日が過ぎてしまった。

 その苦労の甲斐あって、現在皆様方に親しんでいただいている完熟アップルパイが出来上がった次第です。このパイの私の更なるこだわりは冷凍及び解凍してもリンゴが離水しないことです。したがって冷凍で1~6カ月保存がきくことと、自然解凍後もパイ生地はサクサクとした食感で作り立てと同じような美味しさで、「これ、今まで冷凍してあったの!」と皆様が驚かれます。最近では海外へのおみやげとしてお買い上げくださる方もたくさんいらっしゃいます。急なお客様のためにも完熟アップルパイを常備いただけることをお薦めいたします。

マスダ塾塾長 増田嘉嗣

第4回 「パウンドケーキについて」

洋菓子作りを始めた多くの方は、最初にクッキーやスポンジケーキ或いはパウンドケーキをおやりになった事だと思います。この中でパウンドケーキの生地を作る過程で生地が分離したり、焼き上がった時にソフト感のないパンのような堅い製品に仕上がった経験はありませんか。プロの人でも特にフルーツケーキはフルーツが下に沈んでしまったりして大変厄介なものです。それでは先ずパウンドケーキとはどう云うものかお話しましょう。長方形の羊羹のように焼き上げたものが多いのですが、本来は生地作りの原料の配合に由来するものです。元々の語源を申しますと、パウンド(ポンド)ケーキ即ち量目のポンド(1ポンド=約453g)から来ているのです。職人の世界では「割」と云う言葉をよく使います。パウンドケーキはバター、砂糖、卵、小麦粉(薄力粉)の4つの主原料が1:1:1:1同割で構成されているのが基本配合です。この基本廃業でしかもフレッシュバター100%で上手に作るためには技術的にクリアーしなければならない課題があります。生地作りには卵の共立て方式と別立て方式がありますが、初心者は失敗の少ない別立てをすすめます。(生地作りについては次回お話します。)

 

 マスダ塾塾長 増田嘉嗣


第4回その2 「卵の別立て生地」(卵白を分離しメレンゲを立て後で生地に合わせる製法)

クッキー生地とパウンド生地は原料の組み合わせは殆ど同じなのに、クッキーは膨らまないのにパウンドは膨らむのはなぜ?

この二つを比較すると生地作りに違いがあり、片や空気を含んでなく、片や空気を含んでいる。それに加えて生地に含まれている水分の量が違う(その水分の大部分は卵)。この事が火を通して焼いた時にその違いが表れるのです。パウンド記事がなぜ膨らむかを改めて考えてみよう。ミキサーにかけて生地作りすると、その過程で時間をかけて丁寧に、生地の中に沢山の空気を抱かせる事をしています。(比重)加熱すれば空気が膨張するのと、水分が気化して体積が大きくなることはおわかりだと思う。次に焼くオーブンの温度とその時間について考えてみよう。火を通す或いは焼くだけであれば、温度×焼き時間で良いかも知れないが、生焼けだったり、焼き落ちしたりして食感の悪い製品にならないか? この焼き方の方法については長い菓子作りの歴史の中で先人達が築き上げたものがある。これらの技術を磨くためには一回で成功したつもりよりも10回の失敗や実験の方が価値があると思う。努力してみてください。次回は技術的に一寸難しい共立てについて話します。

                      マスダ塾塾長 増田嘉嗣

 

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